「自分が得意なことってなんだろう?」
「どんな仕事に向いてるんだ?」
このように自分自身について考えたことがあるのではないでしょうか。
本記事で紹介する本は特にいま、就職活動をしている就活生や人生イベントの節目で自分と向きあう機会がある人に、ぜひ読んでいただきたい本です。
『苦しかったときの話をしようか』- 森岡毅
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」 [ 森岡 毅 ]
著者は敏腕マーケターの森岡毅さん
この森岡毅さんは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの元CMOです。
経営不振であったパークを就任後わずか数年でV字回復を達成した敏腕!
ジェットコースターを後ろ向きに走らせた「バックドロップ」や、魔法の世界「ハリーポッター」エリアを企画した人物です。
現在はマーケティング精鋭集団「株式会社刀」を設立し、数多くのプロジェクトを推進している。
本を書いた経緯
この本はご自身の経験と苦悩をもとに、自分は何が得意なんだ?何に向いてるんだ?と就職活動に悩んでいる娘さんのために書かれた本です。
就職活動中の娘さんにフォーカスして執筆されましたが、最後まで読んでみるとキャリアアップやキャリアチェンジに悩んでいる社会人の方にもとても響く内容となっています。
たとえ、就活やキャリアの節目に関係ない方も自身を振り返るために森岡さんの経験と苦悩を読むことを大変オススメします!
この本が伝えたいこと
この世の中には全てにおいて格差があります。
「スキル・IQ・顔・身長」など持って生まれた特徴を最大限活かすしかないということ。
はっきりいうと、
○生まれつき顔が良くない人がアイドルを目指してもなれる可能性は低いこと
○体力に自信がない人がマラソンで優勝する可能性が低いこと
ナスビがキュウリになろうとしてもショボくれたナスビにしかならない。
大事なのは、生まれつきナスビでも特徴を最大限活かした選択をすること。
ナスビであること、丸みがあること、紫色が黒光っていることを誇りに思うようにしないといけない。
ナスビは立派なナスビにするしかない。
日本社会は短所を伸ばそうとする
日本社会は子どもから大人になっても、上司・親・学校の先生から苦手なことや欠点を指摘される。
でも人間は、どう頑張っても本当に苦手なことや欠点は平均以下にしかならない。
「苦手なものを伸ばす」ことは、人生をのたうち回ることになる。
日本人は平均率に持っていこうとする。
コーンフレークの栄養バランスではなく、もっと歪なバランスでもいい。
自分の弱点をどう直すかではなく、弱点を理解した人は活きる。
それが一番価値の高いことである。
要領が悪い人は定数を動かそうとしてる
変更できない数値つまり与えられたものとしてやるしかない。
しかし、変更できる数値=変数は自分の選択次第で動かせる。
自分の力で、どうしようもない事とどうにかしないといけない事の大きく分けて二つある。
多くの人は自分の力でどうしようもない事に労力を使う。
それは叶わない努力であり時間を浪費してしまう。
どこに時間と労力を集中すべきかが大事である。
強みを理解する本質は…
自分の強みを理解することが、なぜそれほど大事なのか。
森岡さんは2つ決定的な理由を述べています。
○弱みが強みになったのを見たことがない
○その人のプラスの影響は強みからしか出ていない
もし、自分が経理部に配属となった場合に1年頑張っても本当にダメな場合はやめた方がいい。
見切りをつけることが大切である。
弱みを掘る=動かない定数にチャレンジすること
むしろ自分が褒められたこととかうまくいったことを思い出すと、必ず強みから結果が出てるはず。
会社はその人の成果に給料が払われている。
成果は強みからきている。
会社はその人の強みにお金を払っている。
【平均的ではなくプロフェッショナルになることが重要】
弱みを鍛えても給料は増えない。
なので強みを徹底的に磨くことが大事である。
動詞にヒントがある
自分の強みは動詞にヒントがある。
まず、人と比べることがよくない。
自分が好きだな・やってて面白いという行為にヒントがある。
カバンが好き(名詞)→カバンをデザインすることが好き(動詞)
サッカーが好き(名詞)→サッカーの作戦を考えることが好き(動詞)
この動詞に強みがあり、それがデザイン力なのか分析能力なのかがわかる
動詞を使って自分の強みを知る方法は本紙で詳しく書いてあります!
この本を読んだ感想
この本のポイントは、ただ自分の強みを理解するだけでなく人生の生き方を教えてくれる気がします。
よくある啓発本とは違い著者のリアルな体験と苦悩が書かれており、そのときの感情・気持ちを素直に書かれています。
特に森岡さんが米国本社で経験した話はとても今の社会で生き抜くための励ましをくれます。
それらを経験した上での対処法、そして自分の強みの見つけ方を教えてくれる本当におすすめの一冊です。
自己分析の手法としても大いに活躍してくれます。
終盤にかけての感情をむき出しに率直な内容が書かれているのが心にグサッと響きます。
私も学生の時にこの本に出会いたかったです。